2021年10月4日(月)-10月19日(火)
休館日:10月10日(日)、10月17日(日)
開場時間:10:00−16:00
※今後の感染状況に応じて変更の可能性があります。
会場:多摩美術大学️八王子キャンパス アートテークギャラリー
観覧無料
5回目となる家村ゼミ展 2021では、「今年は、村田朋泰。―ほし 星 ホシ―」展を開催いたします。
村田朋泰は、1974年生まれ。主にパペットを用いたアニメーションの作家として活躍してきました。作品のほとんどにはセリフがありません。風、雨、光、影や音といったかたちを持たないものが、その場のシーンや空気を動かすきっかけとなり、目や手の動きが心の内を語ります。
「生と死」をテーマにこれまでも制作してきた村田ですが、2年に及ぶCOVID-19禍において、学生が「生と死」についてどのようなことを感じ、考えているのかを知りたいという興味から、このプロジェクトは始動しました。
ところで、村田朋泰との関係は、18年前の2003年に遡ります。目黒区美術館で学芸員をしていた、本ゼミ展の指導教諭である家村珠代が、29才の村田を抜擢し、2006年、目黒区美術館全館での初個展に挑みました。当時は美術館という場所でのアニメーション展は珍しく、ましてや美術館全館をアニメーションの世界に置き換えてみようという展示は極めて稀有なものでした。作家と学芸員がコンビを組み、美術館での展覧会の可能性を押し広げようとする展覧会となりました。
そして今回、大学において、作家、ゼミ生、そして教師らがスクラムを組み、対話と実験を繰り返し、作品と会場をつくり、できあがった展覧会を運営、そしてこれらの過程を記録するドキュメント制作に挑みます。
サブタイトルの「ほし 星 ホシ」は、村田が近年考え続けている「あわい」「布置」という意味と同時に、学生と村田との関係をも反映しています。
展覧会づくりは、未知の島を見つける航海のようなもの。作家とともに大海原に漕ぎ出し、どちらに向かって舵を切るのがいいのか、迷いつつ、試しつつ、先に進みます。
今年も、展覧会の完成形をあらかじめ定めず、作家・学生・教員、さらにはその周辺をも巻きこみ、その過程そのものを運動体として提示し、その試行錯誤の行ない全体を展覧会と捉え、展覧会というものの再考を試みていきます。
『多摩美術大学アートアーカイヴセンター 来場者用ガイドライン